健全な社会と人を支える

安全安心な
水循環系の実現

JST未来社会創造事業本格研究・田中課題キックオフ会議と見学会を開催

2022年5月26日と27日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)『未来社会創造事業』の世界一の安全・安心社会の実現領域の本格研究の「健全な社会と人を支える安全安心な水循環系の実現(以下、田中課題)」(研究代表者 田中宏明 信州大学特任教授、京都大学名誉教授)のキックオフミーティング会議(以下、キックオフ会議)と見学ツアーが開催された。田中課題は、研究開発代表グループである信州大学と京都大学、共同研究グループである北海道大学、工学院大学、摂南大学、高知大学、三菱電機株式会社、株式会社ニュージェック、札幌市、東北大学、株式会社塩野義製薬、株式会社島津製作所、株式会社島津テクノリサーチ、株式会社AdvanSentinel、株式会社日水コン、株式会社東京設計事務所など17団体で構成されている。

2022年5月26日のキックオフ会議は、本格研究として統合する前の「重要管理点での高規格水処理によるバイオリスク低減」(研究代表 京都大学 田中宏明名誉教授)と「誰からも信頼される「水」を創る新規VUV/MBR」(研究代表 北海道大学 松井佳彦教授)の探索研究(2018年11月~2022年3月)の研究成果と本格研究期間の研究計画内容を研究グループ間で共有し、チーム内の交流を図った。研究グループメンバーに加え、JST安全安心領域の事務局からも参加いただき、合わせて43名が京都キャンパスプラザに集まった他、オンラインでも16名が参加した。
研究代表者である田中教授が開会の辞を述べ、JSTの安全安心領域を代表して田中健一運営統括の挨拶で会議の幕を開けた。続いてJST安全安心領域事務局から本格研究課題の事務的留意点に関する説明があった後、各研究グループの57名の研究者紹介があった。その後、田中教授から本格研究の構想が紹介され、各グループから探索研究の成果と本格研究での研究計画が報告された。続いて本格研究で得られる研究成果を将来どのように社会実装し、安全安心社会の実現にどのように寄与するかについての議論を行った。最後に、JST評価者からの講評をいただき、松井佳彦教授の閉会の辞で会議を終えた。

2022年5月27日では本格研究で対象としている琵琶湖南湖とその水環境管理に深く関わる施設の現地視察会を行いった。琵琶湖に隣接する湖南中部下水処理場、国土交通省琵琶湖河川事務所とアクア琵琶(瀬田川洗堰)、京都大学流域圏総合環境質研究センター、大津市水再生センターの合流式下水道雨天時処理施設(高速凝集沈殿施設)の見学を行った。湖南中部浄化センターでは、滋賀県下水道部の関係者から処理場の下水・汚泥処理施設に関する説明があった後、場内を回りながら高度処理施設と過去実験に使われていた超高度処理実証施設(オゾン処理と活性炭施設)を見学した。

次は、アクア琵琶へ移動し、国土交通省近畿地方整備局の琵琶湖河川事務所の関係者から琵琶湖の治水・水利用とその歴史および瀬田川の洗堰の運営に関する説明を聞いた。その後、大津市水再生センター内の雨天時高速凝集沈殿の施設を見学した。最後に、京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センターを訪問し、京都大学竹内悠助教から研究センターの説明を聞きながら見学を行った後、見学ツアーを終了した。